日本で初の情報銀行認定!
ITの業界団体で有る日本IT団体連盟は、
三井住友信託銀行とフェリカポケットマーケティングが
今後提供予定の情報銀行サービスの認定を受けたと発表した。
情報銀行とは?
総務省が打ち出している、「情報信託機能の認定に係る指針ver1.0」では、
情報銀行(情報利用信用銀行)とは、個人とのデータ活用に関する契約等に基づき、PDS等のシステ
ムを活用して個人のデータを管理するとともに、個人の指示又は予め指定した条件に基づき個人に代わ
り妥当性を判断の上、データを第三者(他の事業者)に提供する事業。
となっている。
つまり、あくまで各個人との契約に基づいて情報を管理・運営する組織で有るという事です。
ただ、その個人に対し直接ないし間接的に利益が還元されるという事を考えると、提供とは販売の側面が有るのかもしれません。
一番近いモデルとしては、信用情報の照会が一番近い気がします。
情報銀行の仕組み
情報銀行の仕組みとして、総務省より下記のようなイメージが提示されています。
出典:内閣官房IT総合戦略室 AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ中間とりまとめの概要 より
つまり情報銀行とは、
①今まで各事業者出管理していた情報を特定の場所に集め、それを保管・管理しよう。
②その情報を個人の同意の上で必要とする事業者(企業)に提供する。
という事を目的とした組織になります。
情報銀行ではどんなデータを取り扱うのか?
ちなみに、情報銀行に預けるデータとしては、
①観光:旅行先や旅行計画、要望等
②金融:口座の残高、入出金等の情報
③医療・介護:健康診断結果、病院での診療についての情報、薬局での販売・購入記録等
④ヘルスケア:身長や体重の他に、アレルギーや持病等の情報
⑤人材:どの業界で働いているか、どのような職種を希望しているか等
⑥電力使用量等:家庭で使用される電気使用量や通信量等の情報
⑦移動距離:歩行距離等の情報
情報銀行のメリット
情報銀行の個人としてのメリットとして、以下のようなものが有ります。
①個人情報をしっかりとしたセキュリティ管理の元保管できる。
②個人情報がそれひと塊データでは無く、各個人の物であることを明確化させる。
③個人から見て、個人情報がどこに提供されて、どのように使われているのか明確になる。
④個人情報の使い道をユーザーが自分の意志で選択し、決定、コントロールする事が出来る。
⑤個人情報の運用で得られた利益の還元を受ける。
事業者としては
①1から個人情報の収集を行わなくても良い。
②集めた個人情報の保管管理責任の軽減。
③自社の分野に適した情報が集めやすい。
等のメリットが有ります。
特に、②の個人情報の保管管理責任の軽減と言うのは大きいです。
個人譲歩の流出は即自社の信用の失墜につながるので、
この分のリスクや負担が減る事業者としては適切な情報の取り扱いだけに注力できるようになるからです。
最後に
情報銀行の運営の方法については、現在まだ不透明で
情報の取り扱いについてのガイドラインについてもこれからではあります。
また、情報の流出の可能性に根強い不信感がある現状では順調な滑り出しとはいかないような気がします。
この辺の安心感をどう作るのかが、今後の課題ではないかと思います。
今後出てくるであろうこれらの情報に注視して、情報銀行の利用の可否を考えて貰えればと思います。