事故等の原因で脳の神経組織に損傷を受ける、外傷性脳損傷に新たな治療法が発表された。
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外傷性脳損傷への新たな再生医療
バイオベンチャー―のサンバイオ(本社・東京)が幹細胞を使って傷ついた脳の神経細胞の修復を図る再生医療の治験を行った結果、
身体を動かす機能が改善した事を確認したと発表した。
手順はこうだ。
①健康な人から採取した骨髄液から、骨や血管等の成れる幹細胞、「間葉系幹細胞」を取り出して培養する。
②大量に培養した幹細胞を細胞薬として再生医療製品とする。
③②を注射で患者の損傷部の傍に移植する。
治験は慢性期の外傷性脳損傷の61人で実施し、移植した人46人と、植者をしなかった人15人で効果の比較を行った。
結果移植を行った46人は、移植をしなかった15人に比べて大きく改善が見られた。
勿論、移植をしなかった15人にも改善は見られたが、移植を行った人の改善指数はそれよりもかなり大きなものだった。
副作用はないのか?
移植した全員に頭痛等の症状が見られたが、90%以上が移植した細胞と関連が無かったとみられる為、
サンバイオ社は安全性についても問題は無かったと結論付けた。
臓器移植や骨髄移植と違い、間葉系幹細胞は基本的に拒絶反応が起きないと言う。
同社は来年1月までに厚生労働省へ申請する予定だと言う。
今後の進展に期待したい技術である。