梅雨も近づき、水虫とか足の臭いとか気になる季節になりましたね。
しかし、足の痒みは必ずしも水虫とは限りません。
実は水虫よりも危険度が高く、最悪命が危険にさらされる場合も有ります。
今回は間違った憶測で適切な処置を怠った結果、足を切断する事になったケースを紹介します。
原因不明の足の痒み
主婦のA子さんは旦那さんのS男さんに指摘されて、自分が頻繁にかゆがっている事を知り、
思い返してみれば足が冷えてくると妙にかゆくなる事に気が付きました。
元からの冷え性で、1年十靴下をはいているA子さんでしたが、足先や指先が氷の様に冷たくなるばかりか、
今年はそれと合わせて指先が日本人形の様に白くなり、まるで血が全く通っていないようでした。
今までにここまで白くなることは無く、温めると血の気は戻るけれどしばらく痒みを伴って赤くなる始末。
冷える時に起こる事からA子さんは最初は霜焼けだと考えていました。
”靴下をはいているからわからないけれど、足の指も同じようになっているのではないだろうか?”
一向に症状が回復しない事から不安に思ったA子さんは近所の皮膚科を受信したが、
医師は「手を冷やさないように水仕事の時にはゴム手袋をしてみてはどうか?」との提案をするにとどまり、
かゆみ止めの処方だけに留めていたそうです。
おさまらない痒みにS男さんからは「常に靴下をはいているから、水虫ではないか?」と言われ、
水虫の薬も試してみましたが、効果は無かったそうです。
痒みから痛みへ
痒みはある日突然痛みに変わりました。
ズキズキする痛みに、慌てて靴下を取ってみると右足の指が3本紫色に変色していました。
流石にただ事ではないと思い、S男さんに頼んで急ぎ車で病院に連れて行ってもらった所、緊急種ずつをする事になりました。
A子さんが受けた手術はバイパス手術。
A子さんの足は、足の指の動脈が詰まって血が通わなくなり壊死を起こしていました。
つまり、足の指先に血が通わなくなり腐り始めていたのです。
原因は膠原病
今回、A子さんを苦しめていた病気は膠原病でした。
極度の緊張や体が冷えると手足の先端が白くなるのは、
膠原病の症状の一種である"レイノー現象"と呼ばれるものだったそうです。
通常はあまり痒くならず、色も白くはならずに紫色になる事もあるとか。
其処に来て今回のA子さんの症状はかなり重症だったのだろう事は想像に難くない。
更に、血管が詰まった挙句末端が壊死迄起こしていたのだから、劇的に症状を進んだようにも見えます。
実際A子さんの症状はともすれば足の切断をしなければならず、危険の状態で有ったのは確かです。
術後
バイパス手術で足の切断をを免れたA子さんに、担当した医師は
「膠原病は難しい病気の為、この病院では治療できない。専門医のいつ大学病院を紹介するので、今後の治療はそこで行ってほしい」
と告げ、紹介状を書いて大学病院での診察を進めました。
途中、膠原病についての説明もしていましたが、専門用語が多過ぎてよく理解が出来ず、
とりあえず紹介状を受け取って退院する事になりました。
帰宅時、手術から3週間経過しており、留守にしている間に家事等、やる事は溜まっていました。
手術を受けて、”足も良くなったし急いで大学病院に行くことはないだろう”と考えたA子さんは、
早く大学病院に行くよう急かす家族の言葉に耳を傾ける事もなく、
「しばらく様子を見る」と言って大学病院での診察と治療を先延ばしにしていました。
大きすぎる代償
結果、手術から3カ月経った頃の夜、足の痛みが再発しました。
急いで前回と同じ病院に行くも、前回執刀してくれた医師は既に別の病院へ移動していてその病院には居ない為、
代わりに診てくれた医師が翌日カテーテルを使っての血管内治療を行いました。
しかし治療により血流は再開されましたが、足の痛みは消えるどころか強くなる一方で、
足の色も紫から黒へと変わっていき、とても回復している様には想えませんでした。
患部も広がり続けた結果、翌日には医師より
「このままでは命の危険が有るので、足を切らなければならない」
との宣告を受ける事になりました。
医師の指示を聞かなかった結果、A子さんは自身の右足のくるぶしから下を失う事となりました。
術後A子さんは、「自分の責任だとはわかっているけれど、どうしても最初のバイパス手術が失敗だったんじゃないかと考えてしまう」
と現実を受け入れられずふさぎ込んでしまったそうです。
それはA子さんの家族も同じようで、今更ながら”あの時もっと膠原病について知っておけばこんなことにはならなかったのに”と考えてしまうそうです。
”足がかゆい”は簡単に考えてはいけない
A子さんの事例を見てもたかが痒みと言えど無視できないだけの恐ろしさが有ります。
幸いにして、最近はインターネットの発展のおかげもあり、簡単に情報を集める事が出来ます。
人に聞くほどの物でもないと思っても、疑問に思ったらまず症状を調べてみて、医師の診察を受けるのが重要です。
水虫にしろ、膠原病にしろ、早期治療に勝るものは有りませんからね。
最後に、私の方でも足がかゆくなる病気などを調べてみました。よろしければこちらも参考にしてみて下さい。
足がかゆくなる病気と症状はこちらから